e-book reviews Japan について

　いわゆる e-book、電子書籍というようなものが云々されてきてすでに年月が重ねられていますが、事業として成り立つに至っているとは言い難く、かといって e-book ならではの革新的な機能が世に何らかの変化を生じさせるに至っているともまだ言えません。

　私もすでに１冊の「本」を e-book として出版しています。いわば自費出版のようなものだと言えるのでしょうが、この「本」が形になったということ自体、ごく小さな変化ではあるかもしれませんが、それは書くものとしての変化であって、受け取るものからみればどうということもない事だと考えています。

　この数年でハードとしては iPhone や android 端末、iPad やそれに追従するタブレット、kindle などの端末の躍進は目覚しいものがあります。では実際に新しい形での読書をどれだけのひとたちが体験しているのか。「キャズムを超える」という表現を新しいサービスの利用者の間で半ば冗談のニュアンスを含めて使いますが、キャズムを超えてはいないだろうと思います。

　ならば e-book の黎明期に関わったものとしては、どんなものなのか伝えていく努力をしてみたいと思うのです。

　ここでは実際に書籍を読んだ体験を、ブックリーダーの使用感も含め書いて行きます。今現在私の手元にあるのは iPhone4 のみ。どこまで広げられるか、挑戦していきます。おそらく読んだ「本」そのものへの評価ではないものになるつもりですが、途中で変わっていくのかもしれません。