新聞のアプリたち

2013年5月6日月曜日

 少し前の事だが私的に参加しているマネジメントに携わる人を参加者に想定した研究会で新聞の話になりました。私ともう1名が新聞の購読をやめていたのですが「やはり新聞は必要な媒体なのではないか」という指摘があったのです。

 私自身の情報収集においては新聞を定期購読する必要が無いという考えには変わりはありません。ただ、子ども達に情報収集の方法を教えるという観点では新聞を読んでいる姿をみせるというのは優れたやり方なんじゃないか、という指摘には説得されるところがありました。

 研究会から帰って調べていたらこんな意見も読んで、同じ事を言われているな、と思いました。



 そういえば自分が小学校から高校にかけて、スクラップブックを作っていたことを思い出しました。興味のある記事を切り取って貼り、そのうち記事の中で分からないことや更に追求したいことは辞書や事典をあたり、そばに書き込んだりしていた。そのうち大変でやらなくなりましたが仕事を始めたころにはパソコン通信というものを使い始めたり、積極的に専門雑誌を購読するなどして情報を集めるやり方にシフト。その後インターネットなるものが眼前に現れてくるのです。インターネットが現れて、その使い方についてのスタイルを自分なりに決めていく基本には多分、私の場合子供の頃の新聞スクラップがあることは認めざるを得ませんでした。

 かくして、ふたつのことを始めました。

 ひとつ、新聞は定期購読しないが、店舗で買ってきて家で読むようにすること。

 ひとつ、その代わり子供の前では iPhone を見る時間を減らすこと。

 更にもうひとつ調べてみました。それでも敢えて新聞を iPad などで読むとしたらどのようなインターフェースが用意されているのか。

国内新聞アプリの比較

ざっと調べて並べてみました。実際にアプリもいくつかはダウンロードしています。そもそも読むつもりがはなから無いという新聞もあるので試しすらしていないところもあるのはご容赦。

誌名形態アプリ名お金の払い方
日本経済新聞アプリ日経電子版電子版月ぎめで \4,000、あるいは新聞購読料+\1,000で初めて参照できる
朝日新聞アプリ朝日新聞 DEGITAL有料記事は一部しかフリーでは読めず、電子版月ぎめで \3,800、あるいは新聞購読料+\1,000で参照できる
毎日新聞Newsstand毎日スポニチ TAP-iフリーではお試しのみ、毎日IDで端末1台 \500/月、2台 \900/月、Apple ID \500/月
産経新聞アプリ産経新聞HD 
読売新聞 
東京新聞e-bookWEBでためしよみ\1,500/月1週間ためしよみの為の機能

 基本的にはフリーで読めるような新聞サービスは無い。それで良いだろうと思う。マネタイズというか課金形態というか、お金の払い方として自然なのは日本経済新聞や朝日新聞のように感じました。
hf
毎日新聞は利用端末数で額を設定するのはあまり感心しないな……と思いながら眺めています。その意味で Apple ID での課金が可能な Newsstand を選択した、というのは有り得る策ではないでしょうか。iPhone で新聞を読む気にはならないので、iPad を持つに至ったあかつきにはまた検討でしょうか。
ライブラリメニューに戻って、設定画面から購読申込できるいうインターフェースです。Newsstand の解約が分かりにくいことは以前紹介しましたが、ここでも購読中止のインターフェースは難しいのでしょうか。

小分け購入の可能性


 私は新聞定期購読もしておらず、これらのサービスを定期申込する気も現時点ではありません。そういう意味では、朝日新聞のサービスが有料サービスも決まった数までならば読めるようにしているのは有難いと思いました。日経新聞ですと、最初からログインすら出来ないわけです。
このように限定するという選択肢もあるだろうとは思うのですが、寧ろ私などは記事個別で購入させてもらうことができるのならばもうちょっと使うのだがと考えます。朝日新聞は1日フリーで購読できる数が決まっていて、それを超えると次のようなメッセージが出ますが、フリー購読できなくても、特定の記事だけ購入するというようなコースがあれば、今すぐでも検討しても良いように思いました。
定期購読にはもうひとつ、過去記事の検索サービスが付与されているパターンが多いようです。これも私にはちょっと疑問で、そのサービスいらないからもうちょっと安くならないか、と感じます。どうしても記事が探したくなったらその際はその記事は Google でタイトルから検索するので、見つけた記事を単品で「売って」ほしい。

 e-book とウェブが同じものであるのと同様、新聞も雑誌もウェブと同じものです。つまりデジタル化に伴うパラダイム・シフトを受けて同じ悩みに直面しているのでしょう。一見違う文化の中でいまも運用されている出版物ながら同じ課題を内在しているのではないかと思います。新聞記者や編集部という立場におられる方が課題を共有して前に進むべく、外に出てこれるものなのかは分かりませんが。

 さて、店さきで買ってくる新聞は目下のところ東京新聞が多いです。あとは朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞を気分によって選びます。子ども達が親の振る舞いが変わったことに気がついてくれるのにはもうちょっと時間がかかるだろうと思います。私と同じようにスクラップブックを作ることが答えとは思っていませんが、情報の取捨選択について学ぶことを家で覚えて欲しいとおもっています。