『電子雑誌 トルタル 5号』

2014年9月5日金曜日

 えー、たまには「レビュー」ではなく自分の作品の宣伝をしたいものでして、その機会がやって参りました。かつて読者としてここで接したことのある電子雑誌『トルタル』の最新号に私が大田区馬込、及びその馬込をかつて流れていた内川という川をテーマに書いた『内川逍遥』の第1回を掲載していただきました。今後連載させていただく予定になっています。



『トルタル』をここで取り上げたのは2012年の10月でした。2号を題材にレビューを書いています。非常に刺激をうけつつ書いていた記憶がありますが、「コミュニティから雑誌が生み出される」みたいなことを書いているあたり2年経っても同じようなことを考えているのに気がつきます。



 これを書いた翌月、ご縁あって編集長である古田靖さんが平和島の流通センターで開催されていた文芸フリマに出展されていたところに出かけご挨拶することが出来ました。さらにその後『猫間川をさがせ』や『息長川ノート』を書くにあたりお世話になっている TIAOBooks の野知潤一さんに紹介いただいてトルタルの編集コミュニティに上がり込ませていただき、今回の掲載に至っています。ありがたいことです。

 今回は読む側ではなく作る側にまわることとなりました。もはや冷静なレビューというものは書けず、書くとすれば「どうか読んで下さい」しかなくなってしまいました。

 前回も言及した山本晴美さんの『わたしとわたしの母のこと』などはその文章から漂う物憂さが良いとか、川窪万年筆堂さんのその道の職人ならではの知識に裏付けられた文章が良いとか、あるんですがこれくらいで。あとは編集長古田靖さんも note に紹介を書かれていますので参照いただければ。


拙稿のこと

肝心の自分の『内川逍遥』について。尼崎生まれ奈良育ちの長州人である自分が東京に来て間もなく十年経ちます。大阪から東京に来た頃はまだ大阪を舞台にした『猫間川をさがせ』を書いていたことを思い出します。その後東京でずっと暮らし自分の「地元」のひとつとなった大田区馬込をテーマにひとつ書きたいとおもうようになり昨年からぽつぽつ文献を調べつつ書き出していた原稿群につけたタイトルが『内川逍遥』です。

 Facebook の「トルタル編集部」で5号の話しが出たとき、テーマとして「○」というひと文字が提示されました。そこで書こうとしている章のテーマを眺めつつ(○……丸……ということで船が出てくる高橋松亭の版画の話しにしよう)と選びんだのが今回の記事になっています。

 丁度先のお盆のころ、休暇を取って初盆のため帰郷していたさなか扉写真について決めたり、タイトルをデザイナーさんにつくっていただいたり、Facebook Messenger を駆使しつつ古田さんとやりとりさせていただいていました。

 この扉に選んだ写真なんですが2012年11月18日の日曜日に私が iPhone4 で撮影した大森ふるさとの森公園内に架かっている橋から内川の河口あたりを撮ったものです。この日は良い天気で、自転車でぶらぶらと内川沿いを下って行き、このあと平和島の流通センターで開催されていた「第十五回文学フリマ」の会場を訪れて「トルタル」が出していたブースにも立ち寄りました。つまりこの写真、私が初めて古田さんとお会いしてご挨拶できた日に撮った写真なんですね。もちろん写真を撮って instagram にポストした時点には自著に使おうとかまだ考えていません。そう考えると御縁があったと改めて思います。