雑誌をテーマに続けて書きます。
前週のレビューでは "e-books store" サイトで購入した雑誌を読んだことをレポートしましたが、本を手に入れるスタイルは「購入」以外にもあります。
電子書籍については標準フォーマットがまだ乱立気味ながらも出てきています。フォーマットというよりは HTML5 ではないのか、という指摘もありそうですが現時点では EPUB が広く知られつつあるフォーマットと言えるのではないかとおもいます。標準フォーマットとなりつつある EPUB で作成されたパッケージは、複数のリーダーアプリケーションで読めることとなります。本を購入したサイトに付随するアプリに限定されないでも読める訳です。
逆にいえば現在複数存在する書店サイトにおいて、購入した書籍が特定のリーダーアプリケーションでしか読めない……という売る側の都合による前提は、自分が好きなアプリで購入した書籍が読める、という状況になれば不利になっていくのではないかとおもいます。
EPUB で作成された "e-magazine" を試験的にフリーで配布する形で今年創刊された雑誌を読んでみます。
多くのひとが技術を持ち寄って「電子雑誌でどんなものが作れるだろうか」と走りだしたものだと言えるかとおもいます。言い換えればこの雑誌は「本づくりに関わる人たちのコミュニティ」のなかから生まれてきたもの、ですね。本を売る側の理屈やしがらみに視野を奪われている方々ではなく、本をつくって届けるというしごとに喜びと生き甲斐を感じているひとたちの集まりから生まれたのではないのかな……とおもいます。
もちろんどんな人も稼いで食べていかねばなりません。良さげな理想を嘯いてばかりではいずれ行き詰まります。それでも大手が冴えない手を打つのを座して眺めて文句ばかり言っていても始まらない。ならば自分たちが良いと思うものをまずは作ってみよう……という想いが EPUB での作成であったり、Dropbox を使っての料金フリーでの配布であったりに現れているのではないかとおもいます。
以上のようなことは私が読み手として勝手に抱いた感想であり、実のところ『トルタル』の編集人である古田靖さんのブログにはこれらのことが整理されて書かれています。こちらを読んで頂く方が正しい理解を得られるはずです。
『トルタル』の Facebook のページからたどって7月に刊行された Vol.2 をダウンロードします。iPhone4 からの操作です。
Dropbox 上で公開されている "torutaru_1.epub" というファイルは iPhone 上では開くアプリケーションを選ぶようメニュー表示されます。右上の「"iBooks"で開く」をタップすれば今回選択したリーダーアプリケーション iBooks で開かれ、保存もされます。
本棚を模した iBooks のディスプレイに保存された『トルタル』7月号が並びます。
なお、他のリーダーで開いてみるには選択肢が表示された時の左上の「他の方法で開く...」ボタンをタップすると、iBooks を含むリーダーのリストが出てきます。
本稿では以下 iBooks での操作をご紹介することとします。
改ページは指での左右のスライドか、左右の下のタップで行えます。紙のページを模したビューでページがめくられていきます。
思うのですが……マンガや写真はスマートフォンやタブレットの画面で見ていると「入りやすい」なと。この「すだち徳島カボス大分」などかなり良い感じです。是非続きを皆様ダウンロードして頂きたく。
ちなみに画像はダブルタップで拡大表示されます。タブレットはともかく、スマートフォンだと画像が小さく表示されてピンと来ないような場合もあり、この操作で対応するのが e-book においては一般的になっています。
画面中央辺りタップで表示できるメニューのメーターでページ移動すると、そのページのタイトル名が表示され、目次とあわせてページを選ぶことができます。
文字を長押しすると選択状態になり、コピーや辞書検索へのジャンプ、ハイライト、メモ、検索のためのサブメニューが表示されます。辞書はスマートフォンやタブレットに辞書ソフトをインストールしていると動作する。通常は検索で事足りるのでしょうね。
読む対象によるのでしょうが、さきに青空文庫で紹介した森鴎外など読んでいると名文過ぎてしょっちゅう語句を調べたくなります。コピーしてブラウザに切り替えて検索などするのですが、直接検索できた方が早いですね。
ただ、iBooks でもウェブ検索はブラウザにアプリケーションが切り替わります。アプリの中でウェブ閲覧する動きにしてくれた方がすぐ戻れるというのはあります。
簡単な読み物ならばどのリーダーアプリでも良いが、学術的な好奇心をくするぐるような読み物や小説、論文などはこのアプリが良い、というのが段々わかってくるかもしれません。そういった組み合わせも今後考えて紹介できるようになりたいとおもいます。
今号の『トルタル』では山本晴美さんの『わたしとわたしの母のこと』にとくに惹き込まれました。決して軽い内容ではないですが、誰しも通る体験について書かれて目が離せないおもいをしました。これは縦書きで改ページの軽いリーダーで読めると良いと思ったりしますが、はてどのリーダーが一番近かったでしょうか。
前週のレビューでは "e-books store" サイトで購入した雑誌を読んだことをレポートしましたが、本を手に入れるスタイルは「購入」以外にもあります。
電子書籍については標準フォーマットがまだ乱立気味ながらも出てきています。フォーマットというよりは HTML5 ではないのか、という指摘もありそうですが現時点では EPUB が広く知られつつあるフォーマットと言えるのではないかとおもいます。標準フォーマットとなりつつある EPUB で作成されたパッケージは、複数のリーダーアプリケーションで読めることとなります。本を購入したサイトに付随するアプリに限定されないでも読める訳です。
逆にいえば現在複数存在する書店サイトにおいて、購入した書籍が特定のリーダーアプリケーションでしか読めない……という売る側の都合による前提は、自分が好きなアプリで購入した書籍が読める、という状況になれば不利になっていくのではないかとおもいます。
本づくりのコミュニティから
EPUB で作成された "e-magazine" を試験的にフリーで配布する形で今年創刊された雑誌を読んでみます。
多くのひとが技術を持ち寄って「電子雑誌でどんなものが作れるだろうか」と走りだしたものだと言えるかとおもいます。言い換えればこの雑誌は「本づくりに関わる人たちのコミュニティ」のなかから生まれてきたもの、ですね。本を売る側の理屈やしがらみに視野を奪われている方々ではなく、本をつくって届けるというしごとに喜びと生き甲斐を感じているひとたちの集まりから生まれたのではないのかな……とおもいます。
もちろんどんな人も稼いで食べていかねばなりません。良さげな理想を嘯いてばかりではいずれ行き詰まります。それでも大手が冴えない手を打つのを座して眺めて文句ばかり言っていても始まらない。ならば自分たちが良いと思うものをまずは作ってみよう……という想いが EPUB での作成であったり、Dropbox を使っての料金フリーでの配布であったりに現れているのではないかとおもいます。
以上のようなことは私が読み手として勝手に抱いた感想であり、実のところ『トルタル』の編集人である古田靖さんのブログにはこれらのことが整理されて書かれています。こちらを読んで頂く方が正しい理解を得られるはずです。
本とアプリの相性
『トルタル』の Facebook のページからたどって7月に刊行された Vol.2 をダウンロードします。iPhone4 からの操作です。
先に触れましたが、短縮URLで示されたリンクは Dropbox にアップロードされ、シェアできるようになっています。
Dropbox 上で公開されている "torutaru_1.epub" というファイルは iPhone 上では開くアプリケーションを選ぶようメニュー表示されます。右上の「"iBooks"で開く」をタップすれば今回選択したリーダーアプリケーション iBooks で開かれ、保存もされます。
本棚を模した iBooks のディスプレイに保存された『トルタル』7月号が並びます。
なお、他のリーダーで開いてみるには選択肢が表示された時の左上の「他の方法で開く...」ボタンをタップすると、iBooks を含むリーダーのリストが出てきます。
本稿では以下 iBooks での操作をご紹介することとします。
画面をタップすると上下に操作メニューが表示されます。
左上の「ライブラリ」は元の本棚に戻るメニュー、その隣は目次表示メニュー。他にはフォントの大きさ、検索、栞が上に。
全体のうちのどこに位置するかのメーターが下に。
改ページは指での左右のスライドか、左右の下のタップで行えます。紙のページを模したビューでページがめくられていきます。
ちなみに画像はダブルタップで拡大表示されます。タブレットはともかく、スマートフォンだと画像が小さく表示されてピンと来ないような場合もあり、この操作で対応するのが e-book においては一般的になっています。
画面中央辺りタップで表示できるメニューのメーターでページ移動すると、そのページのタイトル名が表示され、目次とあわせてページを選ぶことができます。
文字を長押しすると選択状態になり、コピーや辞書検索へのジャンプ、ハイライト、メモ、検索のためのサブメニューが表示されます。辞書はスマートフォンやタブレットに辞書ソフトをインストールしていると動作する。通常は検索で事足りるのでしょうね。
読む対象によるのでしょうが、さきに青空文庫で紹介した森鴎外など読んでいると名文過ぎてしょっちゅう語句を調べたくなります。コピーしてブラウザに切り替えて検索などするのですが、直接検索できた方が早いですね。
ただ、iBooks でもウェブ検索はブラウザにアプリケーションが切り替わります。アプリの中でウェブ閲覧する動きにしてくれた方がすぐ戻れるというのはあります。
簡単な読み物ならばどのリーダーアプリでも良いが、学術的な好奇心をくするぐるような読み物や小説、論文などはこのアプリが良い、というのが段々わかってくるかもしれません。そういった組み合わせも今後考えて紹介できるようになりたいとおもいます。
今号の『トルタル』では山本晴美さんの『わたしとわたしの母のこと』にとくに惹き込まれました。決して軽い内容ではないですが、誰しも通る体験について書かれて目が離せないおもいをしました。これは縦書きで改ページの軽いリーダーで読めると良いと思ったりしますが、はてどのリーダーが一番近かったでしょうか。
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