今までも ebook として世に出された雑誌を何度か読んでは取り上げてきました。ebook としての可能性を探るべく実験的につくられたもの、商業誌を ebook にしたもの、カフェのような現実のコミュニティから生まれたもの。
『群雛 (GunSu) 』は「ebook としての可能性を探る」の形態に近い雑誌かもしれませんが「実験」という枠はとっくに越えたところにあるようにおもいます。副題に「インディーズ作家を応援するマガジン」と謳っているこの月刊誌はまだこれからの作家、画家を人に知らしめる、という最小限のテーマ設定で作られていて、結果として既に作品を自力で発表している方が名を連ねています。作品全編が掲載されているものもありますが、サンプルとして途中までを掲載、続きは既に発表してあるページへのリンクとしている構成も多く取っています。リンク先は圧倒的に Kindle Store が多いようです。今後は『群雛 (GunSu) 』で初めて作品を世に送り出すという作家さんも出てくるでしょう。
『群雛(GunSu) 』の紹介というよりは ebook を世に出す時の選択肢についてのはなしになるのですが、(やはり Kindle Store なのだな)と思いました。この雑誌の「応援」という姿勢から、各作品のあとには作家さんへのインタビューがつけられています。読んでいると既に作品を発表されている方の場合 Kindle Store が多いようでたまにパブーが出てくる……という印象です。
私がここ "e-book reviews Japan" で ebook のレビュー、というか紹介を始めたのは 2012 年の 9 月のことでした。既に1年半ほど書き続けていることになりますがこの短い間にも ebook という商品についての状況にも移ろいがあります。
つい先日までソニーの reader を購入しようか検討していた私も、ソニーの北米市場からの ebook 事業撤退のニュースを目にして ebook は Kindle と kobo の二強に絞られてきたという評価に遅ればせながら組せざるを得ないと考えるようになりました。実は私は kobo については意図的に無視してきたようなところがあり、ブックリーダーを持っていないのは勿論、iPad および iPhone アプリでも使ってきませんでした。『群雛(GunSu) 』の創刊号も Kindle Store で購入したのですが、楽天koboストアでも刊行されているのをみて 2014 年 3 月号は kobo アプリで読んでみることにしました。
つまり、iPad の Safari で該当の雑誌のページを開いて「購入する」をタップします。
購入できました。下の方に「この商品を読むためには……」という表示があります。ところがこれはアプリを立ち上げての説明がリンク先に書いてあるだけで、ここからいきなりアプリで本が開く訳ではないのです。購入した ebook を即開く手順をとれるはずなのですが、手を抜いている印象があります。
最初に本を開いた時ごく簡単な操作説明が表示されました。紙面の中央あたりをタップするとメニューを表示する操作は ebook ではよくとられる仕組みで直感的に理解できるものですが、初めてつかう方への気配りとしては良いですね。操作メニューを表示するとこんな感じです。
あとふたつほど、使用感について。kobo でのページめくりですが、Kindle ではページが横に素早スライドするような振る舞いをするのに対し kobo は今のページがデフォルトがフェードアウト→次のページフェードイン、という見え方です。どちらが良いかは好みが分かれるでしょうが、私は kobo のページめくりは見やすいように感じました。設定で紙をめくるような iBook 的ビューも選べますがデフォルトの方が良いかと。
またページ表示なのですが、他のリーダーアプリは「現ページ/総ページ」の形式で表示することが多いのですが kobo は章ごとに「現ページ/総ページ」を表示するようです。どちらか選べると良いのかもしれませんが、大著になると全体でどこにいるのか知りたい場面があるかもしれないように思いました。章のインデックスはメニュー上部のリストを示すアイコン(旗のアイコンの左)で表示できますので併用せよということかもしれませんが。
そして作品は小説に限らずイラストや漫画、写真作品も対象とする、としています。今後どのような「場」になっていくのか、可能性があるのだろうとおもいます。読み手が新たな作家や作品と出会うような場になるのかもしれません。これから世に出ようとする作家の登竜門になるのかもしれません。ゆるやかな共同体であるが上に軸が定まらない……というようなことが起こる恐れはあるのかもしれませんが月刊誌として2号目を出すことが出来ていること、それだけの表現者がいることは可能性なのだろうとおもいます。
Kindle にしろ楽天kobo にしろ作品についてリンクを作って Twitter やFacebook、ブログに情報を流したり、作品にコメントをつけてソーシャル・ネットワーク的に共有する機能がありますが(この読んでいる本を共有するソーシャル・ネットワーク・サービスというものは私が以前から欲しいとおもっていて、既存のサービスにはどうも満足できないので自分で作ってしまおうか……などと考えていまだ実現できないものです)、そのような共有サービスがセルフ・パブリッシングで作品を送り出している表現者と読み手をつなげることに特に効果があって『群雛(GunSu) 』の目指す方向に特にプラスになるような気がしています。
(楽天kobo へのリンク、アフィリエイト付きご容赦)
(Kindle Store へのリンク、同じく)
『群雛 (GunSu) 』は「ebook としての可能性を探る」の形態に近い雑誌かもしれませんが「実験」という枠はとっくに越えたところにあるようにおもいます。副題に「インディーズ作家を応援するマガジン」と謳っているこの月刊誌はまだこれからの作家、画家を人に知らしめる、という最小限のテーマ設定で作られていて、結果として既に作品を自力で発表している方が名を連ねています。作品全編が掲載されているものもありますが、サンプルとして途中までを掲載、続きは既に発表してあるページへのリンクとしている構成も多く取っています。リンク先は圧倒的に Kindle Store が多いようです。今後は『群雛 (GunSu) 』で初めて作品を世に送り出すという作家さんも出てくるでしょう。
『群雛(GunSu) 』の紹介というよりは ebook を世に出す時の選択肢についてのはなしになるのですが、(やはり Kindle Store なのだな)と思いました。この雑誌の「応援」という姿勢から、各作品のあとには作家さんへのインタビューがつけられています。読んでいると既に作品を発表されている方の場合 Kindle Store が多いようでたまにパブーが出てくる……という印象です。
私がここ "e-book reviews Japan" で ebook のレビュー、というか紹介を始めたのは 2012 年の 9 月のことでした。既に1年半ほど書き続けていることになりますがこの短い間にも ebook という商品についての状況にも移ろいがあります。
つい先日までソニーの reader を購入しようか検討していた私も、ソニーの北米市場からの ebook 事業撤退のニュースを目にして ebook は Kindle と kobo の二強に絞られてきたという評価に遅ればせながら組せざるを得ないと考えるようになりました。実は私は kobo については意図的に無視してきたようなところがあり、ブックリーダーを持っていないのは勿論、iPad および iPhone アプリでも使ってきませんでした。『群雛(GunSu) 』の創刊号も Kindle Store で購入したのですが、楽天koboストアでも刊行されているのをみて 2014 年 3 月号は kobo アプリで読んでみることにしました。
kobo アプリでの読書の流れ
iPad や iPhone においては Kindle アプリから ebook の購入ができないように、楽天kobo アプリでも ebook は購入できないようです。これは今までも、本を買うに至までの手順を考えると Facebook や Twitter でのその本を薦める書き込み、あるいはウェブの書評記事のリンクから購入しリーダーアプリ、つまり Kindle や kobo のアプリで本を開くというのが自然だということを確かめてきたので kobo でも同じことが出来れば良いということだとおもいます。つまり、iPad の Safari で該当の雑誌のページを開いて「購入する」をタップします。
購入できました。下の方に「この商品を読むためには……」という表示があります。ところがこれはアプリを立ち上げての説明がリンク先に書いてあるだけで、ここからいきなりアプリで本が開く訳ではないのです。購入した ebook を即開く手順をとれるはずなのですが、手を抜いている印象があります。
最初に本を開いた時ごく簡単な操作説明が表示されました。紙面の中央あたりをタップするとメニューを表示する操作は ebook ではよくとられる仕組みで直感的に理解できるものですが、初めてつかう方への気配りとしては良いですね。操作メニューを表示するとこんな感じです。
またページ表示なのですが、他のリーダーアプリは「現ページ/総ページ」の形式で表示することが多いのですが kobo は章ごとに「現ページ/総ページ」を表示するようです。どちらか選べると良いのかもしれませんが、大著になると全体でどこにいるのか知りたい場面があるかもしれないように思いました。章のインデックスはメニュー上部のリストを示すアイコン(旗のアイコンの左)で表示できますので併用せよということかもしれませんが。
ゆるやかな共同体のこれから
『群雛(GunSu) 』のはなしに戻るのですが、主体となっている日本独立作家同盟は3月号の巻末で自らをこのように述べています。セルフパブリッシング(自己出版)についての情報交換や、作家同士の交流などを目的としたゆるやかな共同体です伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段で、自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている人々が集う場所にしようと考えています。
そして作品は小説に限らずイラストや漫画、写真作品も対象とする、としています。今後どのような「場」になっていくのか、可能性があるのだろうとおもいます。読み手が新たな作家や作品と出会うような場になるのかもしれません。これから世に出ようとする作家の登竜門になるのかもしれません。ゆるやかな共同体であるが上に軸が定まらない……というようなことが起こる恐れはあるのかもしれませんが月刊誌として2号目を出すことが出来ていること、それだけの表現者がいることは可能性なのだろうとおもいます。
Kindle にしろ楽天kobo にしろ作品についてリンクを作って Twitter やFacebook、ブログに情報を流したり、作品にコメントをつけてソーシャル・ネットワーク的に共有する機能がありますが(この読んでいる本を共有するソーシャル・ネットワーク・サービスというものは私が以前から欲しいとおもっていて、既存のサービスにはどうも満足できないので自分で作ってしまおうか……などと考えていまだ実現できないものです)、そのような共有サービスがセルフ・パブリッシングで作品を送り出している表現者と読み手をつなげることに特に効果があって『群雛(GunSu) 』の目指す方向に特にプラスになるような気がしています。
(楽天kobo へのリンク、アフィリエイト付きご容赦)
(Kindle Store へのリンク、同じく)
日本独立作家同盟 (2014-01-28)
売り上げランキング: 18,070
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