マップルリンク ( 昭文社/ MAPPLE ON, Co., Ltd. )

2014年4月20日日曜日

 少し前に昭文社が出している旅行ガイドブック「まっぷる」を購入するとスマートフォンアプリで同じ内容の ebook が読めるサービスを始めた、というニュースを目にしました。




 我々は ebook に関しては購入したサービスでしか読めないような制限のもとで読んでいます。Kobo をタブレットとして使い読んでいる本は Kindle では読めませんし、同じ iPad などタブレットを使っていても Kindle Store で購入した本は Kinoppy では読めません。更には同じサービス内であっても実際の本と ebook は別の商品として扱われるのが普通です。

 本の種類にもよりますが実際の本と ebook をひとつの商品として扱うという考え方はあっても良いはずのサービスで昭文社の試みが嚆矢となって広まれば良いとおもいます。


 まっぷるでこのサービスに該当するものには、表紙に「地図と情報 無料アプリ マップルリンク」と印刷されています。これがあるものだけ、対応されています。

開くと雑誌の冒頭に綴じ込みの冊子があります。これを切り開くと簡単なアプリのダウンロードに関する説明とQRコードがあります。アプリを立ち上げるとこのQRコードを読み取る機能がついています。
これでQRコードを読み込むと ebook が読めるようになる、という仕組みです。
QRコードを使い回されたら……と考えてしまいますが、ガイドブックとなると情報の鮮度が重要ですから、すぐに新しい版になると考えれば成り立つかとおもいます。また、コードの有効期限はかなり短く設定されているようです。
今回何気なく選んだ「東京下町散歩」が昨年2013年10月発行で、期限が先日終了。ぎりぎりで本をダウンロードしたことになります。ダウンロードすれば期限が過ぎても使えるようです。


こんな画面が出て登録、読めるようになります。
あまりガイダンスなどはないのですが、画面を左右にフリックしてページをめくるのは一般的です。戸惑ったのは上下に出る「ふせん」「戻る」「ページ移動」「スポット一覧」「ふせん一覧」のメニューが消えた場合に再表示する方法が分からなかったところで、しばらく使っていて画面中央付近を長押しすると表示されるというインターフェースであることが分かってきました。
「スポット一覧」は表示しているページのスポットの情報がリスト表示される機能で、かなり使いやすいものです。スポットからマップを呼び出して位置を確認することができ、この辺りは通常ガイドブックで「G-2」みたいな記号から地図を逆引きするのと比べると格段に分かりやすい。

 スポット単位でブックマークする機能はないようですが、ページに付箋をつけることができるので用は足りでしょうか。

 なお例えば iPad と iPhone で同じガイドブックの ebook をダウンロードして読んでいても付箋は同期されません。使ってみて、ガイドブックの場合は付箋の同期のような機能までは用意せずとも良いか……と感じました。何人かで旅行するとして、各々がスマートフォンにガイドブックを登録していたとしても気になるページは違って当然で、それぞれが好きなページに付箋をつけたうえでやいやいいいながら旅をするという方が楽しいかもしれません。

 なお昭文社は「ことりっぷ」という女性向けに刊行しているガイドブックについても ebook を東急電鉄と組んで仕掛けてきたりしています。次はなにをしてこられるでしょうか。