Facebook でヘリベマルヲさんの個人アカウントからフレンド申請をもらったのは確か年末年始に実家に帰省していた時で一も二もなく承認しました。ヘリベマルヲさんの作品についてはつい先日『シュウ君と悪夢の怪物』について書かせてもらったところでした。
承認後すぐにグループへの招待が。これが今回取り上げる新作『悪魔とドライヴ』の刊行準備委員会と銘打たれたプロジェクトへの入り口でした。
ヘリベさんは勝手に作品について書かせていただいただけでお会いしたことはありません。ネット上で書かれたものを読んでいる印象では繊細でクール、虚無的ですらある感じを想像していました。しかしグループでの彼の発言から受ける印象は全然違いました。今回書き下ろした『悪魔とドライヴ』をより良いものにして世に出したい。皆さん協力してほしいと頭を下げ、メンバーから提示される意見に細かく反応し、作品を直し、礼を述べる。感情の起伏を隠さないところはありますが目的として作品をよりよい形にして世に出したいという情熱を持ち続けているところにブレはなく、グループ参加者も彼の意気と作品の魅力に惹かれるように様々なフィードバックを出していきました。原稿は Kindle アプリで読める .mobi 形式でアップされるのを皆で読みます。私も iMac の Kindle で通読しつつ Kindle で気になるところをマークしておき、まとめて Facobook に投稿しました。意見をききつつ実際に直すかどうかはヘリベさんの領分。私は読み手として局所的に意見を出すぐらいですが全体の流れやリズムにまでアドバイスがあったり、表紙のデザインについてもメンバーのなかから手練れが意見が出ます。ヘリベさんもまたある程度デザインが出来るひとでアドバイスを取り入れつつ表紙を作り上げられるのをみていました。そして作品が完成に至ります。
ebook を出版するツールやサービスはいくつも世に出ていて個人が直接出版するためのハードルは格段に下がっていますが、それだけに本の内容をいかに高めていくのかということについては作者がひとりでやるのではなくチームを組んで行うようなやりかたが必要になってくるはずです。例えば藤井太洋さんは執筆だけでなく出版からマーケティングまでほぼおひとりで出来る方ですが藤井さんのような才能を誰しも持つわけではなく、私からみたらかなりのスキルの持ち主だとおもう作家さんでも必ずしもご自分で全部やられるのではなく一部を他に託して作品の質を上げる試みをされています。そんななかひとつのプロジェクトとして ebook で作品をつくりあげるということをここまで成立させたのはヘリベさんが最初ではないでしょうか。少なくとも私の知る限りは最初の実例です。発売予定日をゴールとして設定して『悪魔とドライブ』を徐々に作り上げていく。それはプロモーションについてまで続きます。ランディング・ページをみるとこのプロジェクトがあげた成果の一端がみてとれます。
作者初の恋愛小説。先に『シュウ君と悪夢の怪物』を取り上げた時「これは児童文学なのか? ……いや間違いなく児童文学だ」という新鮮な驚きを書いたのですが本作も「これは恋愛小説なのか?」というくらいヘリベマルヲの世界が展開されます。冴えない高校教師と彼を狂信的に慕う女子生徒。背後に蠢くカルト集団とテロ事件。ハーレクイン・ロマンスには出てこない要素でしょうし、辻仁成さんや石田衣良さんの作品にもなさそうな設定です。どこを切ってもヘリベマルヲの血しか流れ出してこない。しかし間違いなく恋愛小説である。「◯◯が書く恋愛小説」という言い方がギャップをもって魅力を放つことがあるとすれば『悪魔とドライブ』はそれに当てはまります。テンポの良い文章。クールな会話。過剰なまでのバイオレンス。そんななか少女は病んでいるのかもしれないけれど、あるいは病んでいるゆえに恋人たる担当教師に激情をぶつける。最初に押し倒したのはどちらなのか……。
なお読んでいると『悪魔とドライヴ』の舞台は『Pの刺激』や『ガラスの泡」と同じ青葉市であることに読んでいるといつの間にか気がつかされます。登場人物たちは「悪夢潜り」の州辻郁男や天才少女作家羅門椎奈と同じ世界の人間たちなのか……と元からの読者としてはその微かな「再会」を嬉しく感じたりもしました。
『悪魔とドライヴ』は Kindle Store で2月15日まで99円。16、17日のみ限定で無料。2月18日から3月15日まで250円になっています。最後に余談で、Kindle の本は Kindle のタブレットを持っていないと読めないと思ってしまっている方が結構まだいるという話しを割りと最近も耳にしました。当ブログを書き始めた2012年当時はアプリを導入して本をダウンロードするところも含めて書いていたものでしたがまだそういった情報も必要とされているのかも、と思います。今回私が『悪魔とドライヴ』を読んでいるのも iPhone と iMac の Kindle アプリで、どうもスマートフォン用のアプリの方が出来が良いのではないか……という意見すら聞きます。もしまだスマートフォンに Kindle アプリを入れていないならこの本を読むために入れてみて下さい。
悪魔とドライヴ
承認後すぐにグループへの招待が。これが今回取り上げる新作『悪魔とドライヴ』の刊行準備委員会と銘打たれたプロジェクトへの入り口でした。
ヘリベさんは勝手に作品について書かせていただいただけでお会いしたことはありません。ネット上で書かれたものを読んでいる印象では繊細でクール、虚無的ですらある感じを想像していました。しかしグループでの彼の発言から受ける印象は全然違いました。今回書き下ろした『悪魔とドライヴ』をより良いものにして世に出したい。皆さん協力してほしいと頭を下げ、メンバーから提示される意見に細かく反応し、作品を直し、礼を述べる。感情の起伏を隠さないところはありますが目的として作品をよりよい形にして世に出したいという情熱を持ち続けているところにブレはなく、グループ参加者も彼の意気と作品の魅力に惹かれるように様々なフィードバックを出していきました。原稿は Kindle アプリで読める .mobi 形式でアップされるのを皆で読みます。私も iMac の Kindle で通読しつつ Kindle で気になるところをマークしておき、まとめて Facobook に投稿しました。意見をききつつ実際に直すかどうかはヘリベさんの領分。私は読み手として局所的に意見を出すぐらいですが全体の流れやリズムにまでアドバイスがあったり、表紙のデザインについてもメンバーのなかから手練れが意見が出ます。ヘリベさんもまたある程度デザインが出来るひとでアドバイスを取り入れつつ表紙を作り上げられるのをみていました。そして作品が完成に至ります。
ebook を出版するツールやサービスはいくつも世に出ていて個人が直接出版するためのハードルは格段に下がっていますが、それだけに本の内容をいかに高めていくのかということについては作者がひとりでやるのではなくチームを組んで行うようなやりかたが必要になってくるはずです。例えば藤井太洋さんは執筆だけでなく出版からマーケティングまでほぼおひとりで出来る方ですが藤井さんのような才能を誰しも持つわけではなく、私からみたらかなりのスキルの持ち主だとおもう作家さんでも必ずしもご自分で全部やられるのではなく一部を他に託して作品の質を上げる試みをされています。そんななかひとつのプロジェクトとして ebook で作品をつくりあげるということをここまで成立させたのはヘリベさんが最初ではないでしょうか。少なくとも私の知る限りは最初の実例です。発売予定日をゴールとして設定して『悪魔とドライブ』を徐々に作り上げていく。それはプロモーションについてまで続きます。ランディング・ページをみるとこのプロジェクトがあげた成果の一端がみてとれます。
作者初の恋愛小説。先に『シュウ君と悪夢の怪物』を取り上げた時「これは児童文学なのか? ……いや間違いなく児童文学だ」という新鮮な驚きを書いたのですが本作も「これは恋愛小説なのか?」というくらいヘリベマルヲの世界が展開されます。冴えない高校教師と彼を狂信的に慕う女子生徒。背後に蠢くカルト集団とテロ事件。ハーレクイン・ロマンスには出てこない要素でしょうし、辻仁成さんや石田衣良さんの作品にもなさそうな設定です。どこを切ってもヘリベマルヲの血しか流れ出してこない。しかし間違いなく恋愛小説である。「◯◯が書く恋愛小説」という言い方がギャップをもって魅力を放つことがあるとすれば『悪魔とドライブ』はそれに当てはまります。テンポの良い文章。クールな会話。過剰なまでのバイオレンス。そんななか少女は病んでいるのかもしれないけれど、あるいは病んでいるゆえに恋人たる担当教師に激情をぶつける。最初に押し倒したのはどちらなのか……。
なお読んでいると『悪魔とドライヴ』の舞台は『Pの刺激』や『ガラスの泡」と同じ青葉市であることに読んでいるといつの間にか気がつかされます。登場人物たちは「悪夢潜り」の州辻郁男や天才少女作家羅門椎奈と同じ世界の人間たちなのか……と元からの読者としてはその微かな「再会」を嬉しく感じたりもしました。
『悪魔とドライヴ』は Kindle Store で2月15日まで99円。16、17日のみ限定で無料。2月18日から3月15日まで250円になっています。最後に余談で、Kindle の本は Kindle のタブレットを持っていないと読めないと思ってしまっている方が結構まだいるという話しを割りと最近も耳にしました。当ブログを書き始めた2012年当時はアプリを導入して本をダウンロードするところも含めて書いていたものでしたがまだそういった情報も必要とされているのかも、と思います。今回私が『悪魔とドライヴ』を読んでいるのも iPhone と iMac の Kindle アプリで、どうもスマートフォン用のアプリの方が出来が良いのではないか……という意見すら聞きます。もしまだスマートフォンに Kindle アプリを入れていないならこの本を読むために入れてみて下さい。
悪魔とドライヴ
0 件のコメント:
コメントを投稿