「kobo ってたのしーよ」 小嶋智 - 第1回 デジタル読書ってこんなに楽しい! ライトニングトーク大会より

2017年10月4日水曜日

 2017年9月30日(土)、NPO法人日本独立作家同盟主催で様々な視点からデジタル読書の楽しみ方を紹介するライトニング・トーク大会を行いました。ライトニング・トーク、とは持ち時間を5分とする短いプレゼンテーションのことです。

 10人が登壇したのですが、その内容をひとりづつ、テキストで紹介していきます。まずは最初に登壇した小嶋智さんのライトニング・トークです。



 小嶋と申します。

koboコボ ※1 ってたのしーよ」というテーマで何故か話します。

 ここに来ている皆様は全員電子書籍を読んでらっしゃると思うんですが、メインで使っているストアが「Kindleキンドル ※2」の方どれくらいいらっしゃいますか?

 えーっと……(見渡して)やはり多数派ですね。「Kindleキンドル」以外の方は……それ以外ですよね。では「koboコボ」使ってる、メインで使ってるよって方いらっしゃいますか?

 あ、お! おお!(会場笑)……わぁ、ありがとうございます。これ、全然いないんじゃないかと想定してて。そもそもみんな「koboコボ」は知ってるよね? それはご存知ですよね。大丈夫ですよね。よかった。

 ここで心を落ち着けて。「koboコボ」のある生活とはどんな生活かということです。

 例えばウェブで本の紹介を見つけます。面倒臭かったんで自分の書いたブログからなんですが、アマゾンのリンクが貼ってあります。行くと Kindleキンドル 版があるかどうかはすぐに分かりますね。

 で、「koboコボ」のひとはここで Google を開いて「ゴット・ガン(著書名)」+「kobo」で検索して、出てきます。で、あったと。

 ……めんどくさいよ! 非常に面倒臭いです(会場笑)

 とはいえ、Kindleキンドル 版があれば、koboコボ 版が無いことはほぼ無いです。ですから無駄足にはならないですね。KDP(Kindle Direct Publishing ※3)で出されている方ですとまた別ですけれども。あともうひとつは(アマゾンへのリンク以外も貼って欲しいな)とちょっと思ってます。

 で、買ったあとですが、まぁこれは皆同じだと思いますけれどスマートフォンでも、タブレットでも、デスクトップでも読めます。それ以外に専用端末もあります。
(kobo aura の写真を映して)これ koboコボ の一番いいやつですね。あ、持ってくるの忘れた……今専用端末は koboコボKindleキンドル だけです。日本国内のストアで、現在。

koboコボ の)Kindleキンドル より良いところは? もちろんあります。

 防水で大画面というところですね。kobo は今 Aura One ってやつと Aura H2O ってやつが防水で、画面がそれぞれ 7.8 インチと 6.8 インチです。壇上に持って来れば良かったんですが Kindleキンドル の現行はみんな 6 インチでだいぶ大きさが違います。大きいことは良いことです。

 あともうひとつは、自家製の EPUB ※4 、そのまま読み込ませて読めます。Kindleキンドル だと変換しないといけないし、(フォーマットが)EPUB じゃないんでいろいろ変わったりしますね。koboコボ は自家製だけじゃなく、BCCKSブックス ※5 から落としてきたやつとかも読めます。

 で、悪いところ。

 ……もちろんあるんですけどここでは時間が無いので省略します。(会場笑)

 ただ、山口真弘さんという方がかなりシビアな記事をいくつも書いてらっしゃるのでそちらを読んでみて下さい。大変参考になります。

 本当に言いたかったのは「koboコボ が良い」とかあるいは「悪い」とかじゃなくてですね、ここにいる方々は大丈夫だと思うんですけど「電子書籍=Kindleキンドル」じゃないんだよ、ということが本当に言いたかったことです。ストアはいろいろあります。ここにいる方のストアが漏れてるんじゃないかという心配をしつつ書き並べましたが……

 他にも例えば、これ最近 Twitter で流れてきた技術書なんですけれど、Kindleキンドル 版のリンクが流れてきました。でもこれ Kindleキンドル 版があるんだけど技術評論社はだいたい自社で直販の DRM ※6 無しの PDF を売っていますね。こういうの、ちょっと探さないといけないというのが嫌だなーというのはあるんですが。技術書に関してはオーム社とかオライリー・ジャパンとかはだいたい PDF が出てます。

 他にもいろんな手段があります。

 電子でも Kindleキンドル だけじゃなくて kobo もあるしいろいろな手段がありますよね。多様性のあることは良いことです。「koboコボ ってたのしーよ」というタイトルですけど、「電子書籍はたのしーよ」という話しでもあるし、そもそも「読書は楽しいよ」って話しでもあります。

 時間が多少あるのでおまけです。

 今回これを書くために kobo Aura One を検索してみたんですが……(会場笑)アマゾンがトップに来るんですね!「まじかよ」ってなりました。アマゾン強すぎる。でも負け無いように頑張っていこうと思います。ありがとうございました。




(当日のスライドはこちら)


※1 koboコボ …… 電子ブックリーダー専用端末及びスマートフォン・タブレット・デスクトップ向けの電子ブックリーダーアプリケーションを販売するカナダの企業、及びその製品名。企業は2012年に楽天の子会社になっている。
※2 Kindleキンドル …… アマゾンが製造・販売する電子ブックリーダー専用端末及びスマートフォン・タブレット・デスクトップ向けの電子ブックリーダーアプリケーション、及び電子書籍関連サービス
※3  Kindle Direct Publishing …… アマゾンが運営する電子書籍の自己出版ができるサービス
※4 EPUB …… 国際電子出版フォーラムが策定した電子書籍の標準化のためのファイルフォーマット
※5 BCCKS …… 株式会社BCCKS(ブックス)が運営する自己出版ができるサービス。電子書籍の場合は購入した本をアプリで読めるだけでなく EPUB データをダウンロードして読むこともできる
※6 DRM …… Degital Rights Msnagement、デジタル著作権管理のこと。特定のアプリやハードウェアでしか読めないように制御することで違法コピーを防ごうとする技術


登壇者
小嶋 智(こじま さとし)
テキスト処理・ページ記述言語・マークアップ言語の周辺をぐるぐるまわりながら仕事をしつつ、趣味のEPUB制作環境をちまちま作っているエンジニア。 アサガヤデンショ店長、MastodonインスタンスBookwor.ms運営者。