2017年9月30日(土)、NPO法人日本独立作家同盟主催で様々な視点からデジタル読書の楽しみ方を紹介するライトニング・トーク大会を行いました。
10人が登壇したのですが、その内容をひとりづつ、テキストで紹介していきます。二番目の登壇者 古田靖さんのライトニング・トークです。
「スマホ読書ってたのしー」というタイトルでライトニング・トークをさせていただきます。古田 と申します。
「スマホは読書の敵」ってよく言われることがあります。「じゃないよ」という話をします。
むしろフレンズであると。「たのしー」っていうの、僕が言い出したことなんで。
でもごめんなさい。スマホ読書を僕はしません。あんな小さな画面で本が読めるものかと思っています。
ところが、こういう声が聞こえてきます。
(くくく……可哀想なやつめ……知らぬのか、i読書を?)
(良いアプリがあればスマホは最強の読書ツールになるのじゃ)
その声は俺の嫁!(会場笑)
ということでタイトル変更します。「スマホ読書のたのしさを妻に聞いてきました」!(会場思わず拍手)
Q.i読書 って何?
A. 青空文庫 ※1 リーダーじゃ
……語尾がなぜ「じゃ」になってるのか分からないですが勢いです(会場笑)青空文庫リーダーです。(i読書のスマートフォンアプリのアイコンを示して)こういうアプリがあります。僕が知らないうちにかみさんが入れて使ってました。
Q. どこがいいのか?
A. ページめくりが、良い。
とのことです。ぬるっとめくれるそうですね。素早くめくれる。白黒反転しない。いわゆる電子書籍の専用端末の、ページめくりの時の、一瞬のもたつきですね。あれが無い。これ、専用端末使わなくなったそうです。
Q. 画面が小さいのではないかときいてみたところ、
A. 慣れれば平気。
Q. マジで? とおもう訳ですよ。
A.本気 じゃ、と(会場笑)
Q. 長い本だと目が疲れるんじゃないかと。だから短編を読んでるの? ときくと
A. 逆だ、と。むしろ集中して長い小説を読む時に、めくるのが鬱陶しいってのが無い、っていうのは凄くプラスになるんだ、と。
Q. マジすか? と、ここでまだ信じられなかったんですけど、ここで言われたのが
A. 久雄十蘭とか、谷譲次とか、小栗虫太郎とか、新青年系作家をいつか読みたいと思っていたのを全部このアプリで読んだ、と。
めちゃめちゃ入ってました。
あまりにスイスイ読めるので、そのうちに画面の小ささなどは気にならなくなったそうです。で、だから、これぐらいの文字も(本を開いた例を示して)、縦32文字ですが、スイスイ読んでます。僕とほとんど年齢変わらないですから老眼もきてるはずなんですけど、逆にこういう風に眼鏡をあげて近づけて読んでます。
Q. もしや文庫本よりもこっちの方がいいとか思ってる?
A. おう、と。ある点では、文庫本以上と言っても過言ではないぞ、と。
Q. 何で? ってきいたんですね。
A. わしのような女性でも片手で読めるところじゃよ……ってセリフおかしいんですけど(会場笑)
片手で持ってめくるっていう作業を全部片手でできるって文庫でもできなかったことなので、これは本当に快適だそうです。だからタブレットより、文庫本より、全然手軽なんだと。
Q. 他にもいいところがあるか、きいてみました。
A. 「日替わりランダム100」という機能がある、そうです。
これが9月25日のランダムなんですけど、もう、聞いたこともなかったり知らない作家が結構……宮沢賢治とかもあるんですけど、いっぱい出てくるんですね、ずらっと。で、またバンバンバンバン、知らない作家に出会うっていう。
最近、電子書籍とかネットってどうしてもこう、狙った方にしか行かないんですけど、その他のものも見つけるってことができます。
まとめます。
スマホ読書のメリットは、
まぁ、とりあえずi読書 の場合ですね。無料ですし。
最後に。この文章です。
ご存知の方はご存知だとおもいますけど、「本はいつも空にいて、誰かが読み始めるのを待っている」というのは青空文庫の呼びかけ人だった富田さんの『本の未来』の、二十年前に書かれた本のまえがきです。
スマホ読書って、まさに、これだと、おもいました。
ご静聴ありがとうございました。
※1 青空文庫 …… 著作権消滅後の作品や著者が許諾した作品をテキスト及び XHTML 形式で公開しているインターネット上の電子図書館サービス。
※2富田倫夫 ……1952年4月20日 - 2013年8月16日、日本の著作家、編集者。電子図書館サービス「青空文庫」主催者。トーク中に出てくる『本の未来』は青空文庫で公開されている。
登壇者
古田 靖(ふるた やすし)
ライター、編集者。「電子雑誌トルタル」編集長。著書に『アホウドリの糞でできた国』、『小麦粉発酵ベーグル指南書』、『文章生活20年。現役ライターが初めて教える文章のコツ講座』など。
10人が登壇したのですが、その内容をひとりづつ、テキストで紹介していきます。二番目の登壇者 古田靖さんのライトニング・トークです。
「スマホ読書ってたのしー」というタイトルでライトニング・トークをさせていただきます。
「スマホは読書の敵」ってよく言われることがあります。「じゃないよ」という話をします。
むしろフレンズであると。「たのしー」っていうの、僕が言い出したことなんで。
でもごめんなさい。スマホ読書を僕はしません。あんな小さな画面で本が読めるものかと思っています。
ところが、こういう声が聞こえてきます。
(くくく……可哀想なやつめ……知らぬのか、i読書を?)
(良いアプリがあればスマホは最強の読書ツールになるのじゃ)
その声は俺の嫁!(会場笑)
ということでタイトル変更します。「スマホ読書のたのしさを妻に聞いてきました」!(会場思わず拍手)
Q.
A. 青空文庫 ※1 リーダーじゃ
……語尾がなぜ「じゃ」になってるのか分からないですが勢いです(会場笑)青空文庫リーダーです。(i読書のスマートフォンアプリのアイコンを示して)こういうアプリがあります。僕が知らないうちにかみさんが入れて使ってました。
Q. どこがいいのか?
A. ページめくりが、良い。
とのことです。ぬるっとめくれるそうですね。素早くめくれる。白黒反転しない。いわゆる電子書籍の専用端末の、ページめくりの時の、一瞬のもたつきですね。あれが無い。これ、専用端末使わなくなったそうです。
Q. 画面が小さいのではないかときいてみたところ、
A. 慣れれば平気。
Q. マジで? とおもう訳ですよ。
A.
Q. 長い本だと目が疲れるんじゃないかと。だから短編を読んでるの? ときくと
A. 逆だ、と。むしろ集中して長い小説を読む時に、めくるのが鬱陶しいってのが無い、っていうのは凄くプラスになるんだ、と。
Q. マジすか? と、ここでまだ信じられなかったんですけど、ここで言われたのが
A. 久雄十蘭とか、谷譲次とか、小栗虫太郎とか、新青年系作家をいつか読みたいと思っていたのを全部このアプリで読んだ、と。
めちゃめちゃ入ってました。
あまりにスイスイ読めるので、そのうちに画面の小ささなどは気にならなくなったそうです。で、だから、これぐらいの文字も(本を開いた例を示して)、縦32文字ですが、スイスイ読んでます。僕とほとんど年齢変わらないですから老眼もきてるはずなんですけど、逆にこういう風に眼鏡をあげて近づけて読んでます。
Q. もしや文庫本よりもこっちの方がいいとか思ってる?
A. おう、と。ある点では、文庫本以上と言っても過言ではないぞ、と。
Q. 何で? ってきいたんですね。
A. わしのような女性でも片手で読めるところじゃよ……ってセリフおかしいんですけど(会場笑)
片手で持ってめくるっていう作業を全部片手でできるって文庫でもできなかったことなので、これは本当に快適だそうです。だからタブレットより、文庫本より、全然手軽なんだと。
Q. 他にもいいところがあるか、きいてみました。
A. 「日替わりランダム100」という機能がある、そうです。
これが9月25日のランダムなんですけど、もう、聞いたこともなかったり知らない作家が結構……宮沢賢治とかもあるんですけど、いっぱい出てくるんですね、ずらっと。で、またバンバンバンバン、知らない作家に出会うっていう。
最近、電子書籍とかネットってどうしてもこう、狙った方にしか行かないんですけど、その他のものも見つけるってことができます。
まとめます。
スマホ読書のメリットは、
- サクサクめくれる。
- 片手で読める。
- 読んでみたいときにすぐ読める。
まぁ、とりあえず
最後に。この文章です。
たとえば私が胸に描くのは、青空の本だ。
高く澄んだ空に虹色の熱気球で舞い上がった魂が、雲のチョークで大きく書き記す。
「私はここにいます」 控えめにそうささやく声が耳に届いたら、その場でただ見上げればよい。
本はいつも空にいて、誰かが読み始めるのを待っている。
富田倫生 ※2『本の未来』まえがきより
ご存知の方はご存知だとおもいますけど、「本はいつも空にいて、誰かが読み始めるのを待っている」というのは青空文庫の呼びかけ人だった富田さんの『本の未来』の、二十年前に書かれた本のまえがきです。
スマホ読書って、まさに、これだと、おもいました。
ご静聴ありがとうございました。
※1 青空文庫 …… 著作権消滅後の作品や著者が許諾した作品をテキスト及び XHTML 形式で公開しているインターネット上の電子図書館サービス。
※2
登壇者
古田 靖(ふるた やすし)
ライター、編集者。「電子雑誌トルタル」編集長。著書に『アホウドリの糞でできた国』、『小麦粉発酵ベーグル指南書』、『文章生活20年。現役ライターが初めて教える文章のコツ講座』など。
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